Newsweek

パックン(パトリック・ハーラン)

パックンのちょっとマジメな話

オリンピックイヤーの今年、日本は世界のリーダーでいられるか?

2020年01月30日(木)18時20分

    同性婚について、実は政界での議論より世論は先に進んでいる。NHKの調査によると、男性同士、女性同士の結婚を認めるべきだと考えている人は過半数を占める。40歳未満の若者の間だとその数字は80%近い。もちろん同性婚反対の人もいるが、そんな方は同性婚をしなくてもよいことにしよう。

    また、トランスジェンダー(身体とアイデンティティーの性別が異なる人)やノン・バイナリー(性別を「男性か女性か」と決めたくない人、決められない人)の権利を確保する法律を作るのも先駆者となれるところだ。戸籍の性別欄に「男」や「女」以外のもう1つの選択肢を与え、自分の性意識に合わせて選べる制度を設置すれば、これも東アジアでは初となる。アジア全体では初めてではないけど。既に実施されているインドやオーストラリアでは、性別として男の「M」、女の「F」、どちらでもない「X」が選べる。これも同性婚同様、お金や時間がかからない改革で、よりダイバーシティーに寛容な社会を実現するチャンスだ。違和感を覚える人はもちろんいるだろうが、冷静に考えて、これと言った実害はあまり思い浮かばない。「X-Men」が少し不思議なタイトルになることぐらいかな。

    僕は特にこれらの分野に注目しているが、これ以外のフィールドでも日本の可能性を信じる。そして、日本のリーダーシップを世界が必要としていると確信している。これからの日本の活躍を祈って、最後に英語で締めよう。将来どうすればいいのかはなかなか見えないけど、過去を振り向くと、以前の選択が正しかったかどうかがよく分かる。その意味の慣用表現にHindsight is 20-20.(過去を見る視力は1.0〔正常視力〕/後悔先に立たず)がある。だが、過去ばかり凝視する余裕はない。リーダーとなる日本にとって、In 2020 foresight is key.(2020年は将来を見る力が大事だ)。

    プロフィール

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    パックン(パトリック・ハーラン)

    1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『大統領の演説』(角川新書)。

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