World Voice powerd by Newsweek

ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

マイン川の真珠「ミルテンベルク」に魅せられて 史跡を巡る旅

翌日はミルテンベルクから北ヘ約8㎞、フロイデンベルクで電動アシスト自転車を借り、いよいよサイクリング全日ツワーの開始です。まずは7㎞先のビュルクシュタットへ向かいました。

▽聖マルティン礼拝堂 ビュルクシュタット

聖マルティン礼拝堂は、フランケン地方でもっとも古い教会の一つです。

10世紀前半に建てられたと言われる礼拝堂は、ほぼ正方形の聖歌隊を持つホール型の建物です。堂内に足を踏み入れると、天井から壁一面に描かれた絵画に圧倒されます。

03germany.jpg聖マルティン礼拝堂内部にて

天国を表しているという絵画は、ニュルンベルクの画家アンドレアス・ヘルナイゼンが描いたものです。東側の壁に画家のイニシャルAHと1589年のサインを残しています。1907年までは、いわゆるセッコウ技法で描かれた聖歌隊の部屋の絵は覆われていました。残念ながら、その後の発掘では、すべてを保存することはできなかったそうです。

ミルテンブルク城跡と 博物館

05germany.jpg

城跡中庭にて。博物館は思ったより大きく展示品も多い

ミルテンベルグの小高い丘(27mほど)に聳え立つミルデンブルグ城は、約800年前から街のランドマークとして親しまれています。長い間、外側しか見ることができませんでしたが、大規模な改修工事を経て、2011年7月からは、博物館である「ブルク・ミルテンベルク博物館」の中にも見学者が入れるようになりました。

20世紀から21世紀にかけての作品はすべて、大聖堂のチャプレンであるユルゲン・レンセン博士(ヴュルツブルク)のコレクションであり、レンセン博士は新しい美術館のコンセプトを考案しました。

城の部屋からはフランケン地方の田園風景が一望できます。

クリンゲンブルク城跡

ミルテンベルク市内でランチを済ませ、再びサイクリングです。約12㎞先のワイン生産が盛んな街クリンゲルベルクの観光ハイライト・クリンゲンブルク城跡に向かいました。

08germany.JPG

急斜面のブドウ畑とクリンゲンベルクの街並み

クリンゲンブルク城跡は、フランケンの赤ワイン街道沿いにあるクリンゲンブルクの小高い丘(標高約170m)に鎮座しています。1177年頃、皇帝の酌人だったコンラドゥス・コルボによって建てられました。現在はアーチと天守閣の基礎部部しか残っていませんが、素晴らしいパノラマテラスのあるレストランがあります。同店は、オープンエアでのコーヒーとケーキ、またはガストロルームでの騎士の饗宴などを提供しています。

人口6000人程のクリンゲンベルクを一躍有名にしたのは、城跡で開催される夏の野外フェスティバル。1994年から2019年にかけて、プロの演劇やミュージカルを公演し、年間4万人もの来場者が訪れるアトラクションとなったそうです。残念ながら主催者団体の破産で、2019年シーズンを最後に野外劇は終わりを告げました。このクリンゲンブルク音楽祭は、26年間のシーズン中に100万人近い人々を街に呼び寄せることに成功していました。 

09germany.jpg

城跡でミュージカルを満喫

「今後、同フェスティバルが再開されるかどうかは不明で、どのように展開していくか考案中です」とクリンゲンベルク市長ラルフ・ライヒワイン氏は述べます。

10germany.jpg

上演終了の舞台にて

ところが7月から8月にかけてなんと城跡でミュージカル「女教皇ヨハンナ」が上演されるというではありませんか。このグループは2019年まで上演した主催者とは全く別の団体(マインミュージカル)だそう。市長の好意で最終リハーサルのチケットを入手しました。

マインミュージカルは、本拠地エルレンバッハ(ミルテンベルク郡で一番大きな市)で定期的に上演しているそう。コロナ禍で中止、そして延期となり、2020年上演予定だった「女教皇ヨハンナ」を野外劇場でということで会場となったのがクリンゲンベルク城跡だったそうです。

07germany.JPG

ミルテンベルクのシンボル・マイン川にかかる橋とホルステン門

今回巡った史跡や廃墟は、ミルテンベルク周辺に60カ所以上あるほんの一部です。今後も発見の旅を続けたいと思います。

 

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

Twitter

ツイッター

Facebook

フェイスブック

Topics

お知らせ