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イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

「違法な雇用」カポララートの実態、搾取された季節労働者

8月7日、イタリアのフォッジャ、セリニョーラ-東ヨーロッパの季節の農場労働者が、イタリア南部のプーリア地方のセリニョーラ近くの栽培でメロンの収穫に従事している様子 Photo Beto-iStock

|「違法な雇用」caporalatoカポララート

正規の手続きを取らず外国人労働者を雇用する、いわゆる「ヤミ労働」がイタリアで横行している。

イタリア人が低賃金・重労働のため敬遠する仕事で、イタリア人との競合がないため比較的容易に職に就ける点から、東欧圏からの外国人労働者が仕事を求め、たくさん渡ってくる。

過度の労働条件を受け入れることを余儀なくされた農業労働者たち。国籍で多いのは、ルーマニア人(約14万人)で、以下ウクライナ人、モロッコ人、アルバニア人と続く。


イタリアにはCGIL、CISL、UILという3大労働組合があり、外国人労働者の一部を組織化していて、その内のCGILの報告によると、ミラノの田舎は深刻な闇労働問題があるという。

イタリアの外国人労働では不法労働が多いという問題点、そして、この不法労働者は労働契約を結んでいないで労働を行っており、一般の労働者よりも低い賃金で就労している。もちろん外国人労働者は社会保障システムそのものから除外されているので、一切の保障はない。CGILは、

「残念ながら、私たちはこの種の状況が明るみになり、問題が爆発するかもしれないと感じていました。南部の田舎では外国人労働者搾取が、そんなに現実的には問題にならないと思われることがよくあります。労働者たちは恐喝されており恐怖を感じているので、彼らの証言から違法性を明らかにすることは容易ではないという現状もあります。カッシーナ・デ・ペッキの農場の件については、私たちはすべての雇用主とミラノで確立される法的仕事のネットワークのために日々戦っています」

と結論付けた。

| ミラノ郊外のカッシーナデペッキの農場が摘発された

財務警察 (Guardia di Finanza) が抜き打ちで、カッシーナデペッキの農場を捜査した際、外国から季節労働者は、1日9時間を超えたシフトで重労働を強いられていた。報酬額も低賃金で時給4.50ユーロ(約560円)、十分な衛生設備がなく、トイレ休憩を含む休憩時間も無し。農作業に入る前のプローヴァ(職業訓練・実施テスト期間)なしに到着後直ぐに労働させていた。Covid-19に関する保護具は与えられておらず健康面で深刻なリスクにさらされていた。労働者が従わなかった場合、条件違反を理由に即解雇をすると脅していた。

これらが、ミラノ郊外の農場で雇用されている約100人の労働者の状態であった。
会社の従業員の雇用と給与の異常、および農業労働者の雇用を管理する規則の重大な違反、更に防火計画と緊急計画の欠如、および除草剤と農薬管理の欠如もあったとし、カッシーナペッキ農場は摘発された。

ミラノの地方司令部財務警察が押収した総額は、750万ユーロ(約9億4000万円)を超え、7人が違法な仲介と労働の搾取の犯罪として報告された。
逮捕されたのは、2人の管理者に加えて、2人の現場監督者、2人の管理従業員、および給与を作成した会社のコンサルタントも含む。
大規模な流通業者に販売される運命にあった食品(炎天下にさらされ放置されていたジャムの瓶数千個)も押収された。
検察庁は、土地と建物を含む53の資産、25の計器用車両、および3つの経常勘定からなる会社のすべての資産の差し押さえを行い、施行されている法律に準拠した事業継続を目的とした司法管理者の指名を命じた。

ミラノ裁判所で検察庁は「体系的で非常に悪質な違法行為は、約100人の搾取された非EU労働者に不利益をもたらしている」という調査結果を明らかにした。

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Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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