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ヴィズマーラ恵子|イタリア

デルタ株とオミクロン株が合体した混合変異株デルタクロンとは

iStock- Ildar Imashev

| また新変異株

キプロス大学の研究者は、デルタクロン変異体を発見したというニュースがイタリアに飛び込んできた。
これは、ゲノム内のオミクロンおよびデルタに類似した遺伝子シグネチャーが同定され、デルタ株とオミクロン株の組み合わせであるため、このようにデルタクロンと名付けられた。

新しい組み合わせの変異株を発見したのはキプロス大学の生物科学教授、バイオテクノロジーおよび分子ウイルス学研究所の責任者であるLeondios Kostrikis教授と彼のチームによって
分子スワブの配列決定中にSars-Cov-2ウイルスの新しい混合変異株デルタクロン(Deltacron)が発見された。

デルタクロン症例の遺伝子配列は、1月7日に、ウイルスの変化を追跡する国際データベースであるGisaidの研究所に送られた。

Kostrikis教授は、地元のテレビ局シグマTVフライデーとのインタビューで、「オミクロンとデルタの重複感染があり、この変異株がこれら2つの亜種の組み合わせであることを発見した。」と述べている。


| デルタクロン変異株、それはどのくらい伝染性があるのか?


Kostrikis教授と彼の専門家チームは、これまでにデルタクロンバリアントの陽性症例が25例確認され、それを特定したとブルームバーグ通信社に報告した。
複合感染の相対頻度は、統計分析によるとこれまで入院する必要のなかった陽性患者よりも入院数が多く、入院する確率も高いことを示しており、伝染性感染力が高いとも述べている。

結論として教授は、"この新しい株デルタクロンは、オミクロン株に置き換わる非常に伝染性がある変異株になる可能性がある。"という点を強調した。

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iStock-VioletaStoimenova

オミクロン株も非常に伝染性が高い言われいるが、あらためてオミクロン変異株の症状はどんなのなのか、喉の痛みから無力症まで、それがどのくらい続くか、そしてどのような影響があるのかをおさらいしていこう。

| オミクロン変異株について、私たちが知っているすべて

コロナウイルス感染症は現在オミクロン株が大規模な広がりをみせている一方で、従来の亜種と比べ、それほど重症化しないということが知られはじめている。

最近の研究によると、マサチューセッツ州の総合病院の感染症専門医であるロビー・バタチャリヤが指摘したように、オミクロン変異体は歴史上最も急速に蔓延しているウイルスである可能性がある。しかし、肺ではなく喉のように上気道に影響を与えるため、突然変異の致死性が低いことを示した研究も過去数日間で6件あがっている。
このため、オミクロン株の症状も変化してきた。

【オミクロン変異株の特徴】

⭕️発症までの日数期間
マサチューセッツ州の総合病院の感染症専門医であるロビー・バタチャリヤは、オミクロンの亜種とはしかを比較した。
ワクチン未接種者の平均15人がオミクロン株に感染し、ワクチン接種の6人が感染した。
最新の研究によると、その違いは感染のタイミングにあるという。
はしかは平均して発症までに12日間を要するが、オミクロン変異株は4、5日間で発症する。
はしかの場合は12日後に15人が発症し、オミクロンの場合は4日で6人が発症し、8日で36人、12日で216人へと陽性患者数が一気に膨らむのが特徴である。

⭕️初期症状:喉の痛みと無力症
オミクロン亜種の陽性者のほとんどは肺よりも喉に感染している。
オミクロンが増殖するという仮説は、主に喉の痛みを引き起こすため、より伝染しやすくなる。

ロンドン大学からの最新情報では、オミクロン変異株は、抗原検査の検体の採取方法によっては、陰性が出たり、陽性が出たりと、検査結果の判定が変わってくるという。
鼻だけで行われた鼻咽頭スワブ、鼻腔スワブは陰性の結果をもたらすが、口腔から挿入する中咽頭、扁桃腺など、喉の咽頭スワブサンプルの場合では陽性の結果が出たものもあるという。

最も再発する症状の中には、無力症も挙げられている。
これは、筋力の低下または喪失による広範囲の衰弱の状態で、倦怠感があり刺激に対する反応が不十分になるというものである。

⭕️それほど重症化しない理由

世界保健機関(WHO)からの報告によると、科学者たちは、オミクロン亜種 が上気道に影響を及ぼすので、従来型の亜種よりも深刻な影響を引き起こさないということを発見している。
WHOの緊急事態管理者であるアブディ・マハムド氏は、ジュネーブでの記者会見で、

「私たちはオミクロン変異株が上半身に感染することを多くの研究で確認した。これは良いニュースかもしれませんが、それを証明するためにはもっと多くの研究が必要です。」

と述べ、結論付けた。


コロナウイルスのオミクロン変異体と新しいデルタクロン変異体の出現により、すべての地域で感染が増加し続けているため、多くの人がイタリアでロックダウンが再びあるのかどうか疑問視する声も上がってきた。
考えられる答えとして、保健大臣の科学顧問であるヴァルテル・リッチャルド氏はテレビ番組の中で、彼の予測を話している。

Q :イタリアで、2022年にロックダウンの可能性はあるのか?
A :リッチャルド氏.イタリアが2020年3月に経験したような、全国一斉閉鎖のロックダウンはないことをすぐに明らかにしたいと思う。新たな変異株などの影響で感染が拡大し続けた場合予見していないロックダウンはなく、一連の局所的な制限措置はあるかもしれない。

「制限を設ける地域はあるが、全国一斉ロックダウンはない」
「2つの亜種が同時に大幅に増加する」
と保健省科学顧問リッチャルド氏は付け加えた。

Q : デルタクロン変異株による新しい脅威に関してどういうことが予測されるか?
A:イタリアでのCovid-19の症例は劇的に増加し、同時に2つの亜種、デルタとオミクロンに関連し、これは医療制度に多大な圧力をかけると懸念している。キプロスで初めて発見されたデルタクロン変異株が、すでに25例のケースがあるということは脅威である。

Q : 最近注目を集めている50歳代以上のワクチン接種義務化のトピックについて
A:50歳以上の人はワクチンを接種する義務と違反者には罰金の制裁があることに関しては、予防接種をしない人に対して、適切な罰金であると思う。

Q : オーストリアの例を挙げると、罰金の対象者が状況を解決しないとき、制裁金は基本600ユーロ(約7万8700円)から始まり最大3,600ユーロ(約47万2700円)に達するということですがどう思いますか?
A:罰金の制裁は一回限りのものであってはならず、自らの状態が改善されるまで繰り返されなければならない。何度でも罰金を科すべきだ。


Q : 始業日、1月10日から学校は新学期ですが、心配していますか?
A:ビアンキ教育相は、生徒たちが学校に戻ることを心配していると述べ、地域は学校への登校を避けようと迫っていた。この時期に学校を再開することが賢明であると考えていない人々と同じ懸念を共有しています。学校の運営とワクチン接種キャンペーンの両方に注意を払いましたが、現時点では学校の始業を静観するにとどまります。


| 2022年1月、イタリアの新法令

イタリアは、虚無主義者(ワクチン反対No Vax)を排除しない社会生活のための新しい措置を2022年1月10日に開始する。
50歳以上のすべての労働者にスーパーグリーンパスの義務を導入する新しい法令によって規定された制裁は、5日間の不在の後、給与がカットされ職務停止がトリガーされることになる。

ワクチン接種義務を遵守しない50歳以上の労働者へは2022年2月15日から職場への立ち入りを禁止する。
陰性証明書などの提出をしない場合は不当な欠席者扱いとなり、6月15日までに証明書が提示されるまでは職務停止。雇用関係を維持する権利はあり、懲戒処分は無し。
グリーンパスを持たない労働者が見つかった場合は600〜1,500€の範囲で制裁を科せられるリスクがある。

法令が指定した義務例
・2022年2月1日に一次ワクチン接種をしていない被験者
・2022年2月1日以降ワクチン接種サイクル用量を完了していない被験者
・2022年2月1日以降一次ワクチン接種サイクル後に追加免疫投与を実施しなかった被験者

※義務を遵守しなかった者は100€(約1万3千円)の金銭的行政処分。


イタリアでのワクチン接種状況は、現在までに、115,089,493回の投与が行われた。
○少なくとも1回の接種を受けた総数:48,263,292人(12歳以上の人口の89.36%)
○予防接種サイクルを完了した総数:46,614,891人(12歳以上の人口の86.31%)
○治癒回復した後、最大6ヶ月経過した人が少なくとも1回の接種を受けた総数:48,709,710(12歳以上の人口の90.19%)
○追加ブースター用量/追加免疫3回目を受けた総数:22,846,936
○ワクチン接種サイクルを完了し少なくとも5か月間が経過した人を対象とした追加ブースター総数(人口の73.70%)

新たな保健省命令(*)が官報に掲載され、1月10日から15日間、アブルッツオォ州、エミリア=ロマーニャ州、トスカーナ州及びヴァッレ・ダオスタ州にイエローゾーンの措置が適用されることになった。また、フリウリ=ベネチア・ジュリア州及びカラブリア州で既に実施中のイエローゾーンの措置の適用が15日間延長された。

 

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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