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湯川鶴章

湯川鶴章のテクノロジーフィクション

「東京がアジアのイノベーションハブになる」中国人ビジネスマンが東京で起業した理由

2018年12月17日(月)16時00分
    「東京がアジアのイノベーションハブになる」中国人ビジネスマンが東京で起業した理由

    日本の起業環境は最高、と言う董路(ドン・ルー)氏 (筆者撮影)

    エクサウィザーズ AI新聞から転載

    日中米のビジネスの最先端を経験してきた中国人起業家の董 路 (ドン ルー)氏が、第2の起業に選んだ場所は東京だった。理由の一つは、東京の住環境が優れていて中国人エンジニアを呼び寄せやすいから。董(ドン)氏は「東京は21世紀のアジアにおけるシリコンバレーのような存在になる」と断言する。詳しく話を聞いてみた。


    董 路 (ドン ルー)氏 日本美食株式会社 CEO 1972年生まれ、中国・北京出身。20歳で日本に留学し、1994年に埼玉大学経済学部に入学。同大学を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。その後、スタンフォード大学にてMBAを取得し、2004年に中国に帰国。外資系コンサル、ベンチャーキャピタルを経て、2社のベンチャーを立ち上げる。2014年に事業を売却し、日本に拠点を移す。2015年12月、日本美食株式会社を設立し、外国人観光客向けマルチ決済と飲食予約サービスを展開中。

    中国企業がまだ日本市場を攻めないのは畏敬の念のせい

    ──ドンさんは、アジアの起業家にとって東京がハイテクベンチャーの起業に最も適したマーケットであるとおっしゃてます。なぜそう思うのですか?

    ドン氏
    3つ理由があります。1つはマーケットが十分に大きく、しかも戦いやすいということ。2つ目は人材集めに有利、という点、3つ目は、起業コストが安いということです。

    ──ちょっと待ってください。マーケットが大きい?中国の方がマーケットは断然大きいじゃないですか。

    ドン氏  
    確かにそうですね。でも、とはいえ日本は世界第3のマーケットです。十分に大きなマーケットです。にも関わらず競争はそれほど激しくない。中国の競争は、ものすごく激しいんです。

    日本でペイメントのビジネスの競争が激化している、と言われます。ある会社が顧客獲得コストとしてキャッシュバックのキャンペーンに3ヶ月100億円用意しました。 領域は異なりますが、中国のライドシェアのベンチャーがキャッシュバックのキャンペーンに1カ月で1000億円使っています。もちろん中国とは潜在顧客数が違いますが、100億円って中国のキャッシュバックキャンペーンの3日分です。たった3日分です。100億円のキャッシュバック資金の話を聞いたとき、日本ではその程度の金額で戦えるんだって驚きました。中国ベンチャーって、ものすごくアグレッシブなんです。

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    湯川鶴章

    AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。

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