コラム

リンチの末、見せしめに遺体をバラバラに...タリバン「LGBT狩り」の恐怖

2021年10月20日(水)13時13分

タリバン創設メンバーの1人であるモッラー・トゥラービーはAP通信に対し、90年代に行われたような死刑執行や手首切断刑といったイスラム法に基づく刑罰を復活させると述べた。オーストラリア政府の報告書によると、90年代のタリバン統治下で同性愛者は定期的に処刑されていたという。

首都カブールを制圧した後、タリバンは国際社会に対し、女性の人権を守るとか報復をしないなどと「約束」した。タリバンはその約束を必ずしも守っていないが、少なくとも女性や旧政府関係者に対して「穏健」だというポーズは示した。LGBTにはそうしたポーズすら示していない。

アフガニスタン系アメリカ人のLGBT活動家ネマト・サダトは在アフガンのLGBTのリストを作成して米国務省に提出したが、既に米軍が撤退した今となっては彼らの退避は極めて困難だと語る。

アフガニスタンのLGBTはタリバンの「罠」を恐れ、SNSや出会い系アプリの使用も控えているという。多くは家族にも自分の性的指向について明かすことはない。彼らは今もアフガニスタンで息を潜め、恐怖と孤独の日々を生きている。

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。イスラム教という切り口から国際情勢を分析している。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)。

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