コラム

「超大国化」を堂々宣言した中国に、日本は取り込まれるしかないのか

2021年03月16日(火)17時09分

中国の野心が実現するのかは現時点では分からないが、日本のすぐ隣に基本的な価値観を共有しない超大国が出現しつつあるという現実について私たちは厳しく受け止める必要があるだろう。日本の国内世論は、中国の台頭について見て見ぬフリをし、ただ自国を賛美するという安易な論調であふれ返っている。

各国の軍事費は基本的にGDPの一定割合で推移しており、中国の経済規模がアメリカを超えるということは、経済のみならず安全保障でも中国の脅威が増大することを意味する。国際特許出願件数がアメリカを抜いて2年連続で世界1位になるなど、イノベーションの分野でも中国は圧倒的な立場を確立しつつある。

トランプ米政権以降、米中のデカップリング(分離)が進んでおり、近い将来、世界経済は米欧中という3つのブロック経済圏に集約される可能性が高い。既に日本の対中貿易は対米貿易を上回っており、中国と距離が近い日本はブロック経済化によって、いや応なく中国経済圏に引きずり込まれていくだろう。日本は超大国となった中国とどう対峙するのか早急に戦略を固める必要があるが、残された時間は少ない。

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6月22日号(6月15日発売)は「ルポ 武漢研究所のウソ」特集。新型コロナウイルスの発生源と疑われる中国の研究機関が繰り返した危険な実験。「素人集団」が矛盾を暴く。


プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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