コラム

韓国政府が手厚い子育て支援策を決めたが、出生率向上は今度も難しい?

2021年01月12日(火)13時40分

韓国では、1991年に「嬰幼児保育法」が制定されてから、保育への関心が高まり、1992〜2003年には、満0~5歳の児童を養育する子育て世帯に対して所得を基準とする「差等保育料」が支給された。その後、2004年からは支援対象が都市労働者世帯の平均所得の50%以下の世帯まで、そして、2006年からは都市労働者世帯の平均所得の70%以下の世帯まで拡大された。

さらに2011年からは、満0~5歳の児童を養育する所得下位階層70%の以下まで支給対象が拡大され、ついに2013年からはすべての所得階層に保育料を支給する無償保育が実現されることになった。2018年9月からは児童手当を導入する等子育て世帯に対する支援を継続的に拡大しているものの、まだその効果が表れておらず出生率は低下し続けている。

韓国統計庁の「2019年出生・死亡統計」によれば、韓国における2019年の合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子どもの平均数、以下、出生率)は、2018年の0.98を下回る0.92まで低下した。同年の日本の出生率1.36を大きく下回っている。

■日韓における出生率の動向
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注)韓国における 1955~1959 年度、1960~1964 年度、1965~1969 年度はデータの制約により、UN(2006)の 5 年平均の数値を利用。
出所)UN(2006) World Population Prospects、韓国統計庁「人口動態統計」各年、厚生労働省統計情報部『人口動態統計』各年より筆者作成

プロフィール

金 明中

1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所客員研究員、日本女子大学人間社会学部・大学院人間社会研究科非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、日・韓社会政策比較分析。

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