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<ワールド・ニュース・アトラス/山田敏弘>

サイバー攻撃で他国を先制攻撃したいドイツの本音

2017年4月11日(火)18時00分
山田敏弘(ジャーナリスト)

2013年に元CIAのエドワード・スノーデンがNSA(米国家安全保障局)の世界的監視工作を暴露した際、ドイツのアンゲラ・メルケル首相もその対象になっていたことが判明している。メルケルは当時、「友人をスパイするのはいかがなものか」と苦言を呈していた。ドイツでは国民の反発が起き、政府がアメリカを非難したが、その背景にはナチスドイツ時代や東ドイツの社会主義時代の監視国家の記憶がある。

それなのに、ドイツも「友人」にサイバー工作をしていたことが判明した。フランスの外務省や欧州委員会の幹部などをターゲットにし、欧州の企業や個人にサイバー攻撃でスパイ行為を実施してきた。しかもメルケルが苦言を呈したNSAからの要請に応じてサイバー工作を行っていたというのだから、メルケルの発言は茶番だったと言われても仕方がない。

そしてドイツでは最近、これまで水面下で実施されてきたサイバー攻撃をもっとオープンに行うべきだとの主張が出てきている。ドイツの情報機関である連邦憲法擁護庁(BfV)のハンス・ゲオルク・マーセン長官は今年の1月10日、「防衛だけでは機能しない。敵を攻撃し、さらなる攻撃を食い止めることができるようでなければならない」と語っている。

【参考記事】ウィキリークスはCIAを売ってトランプに付いた

また他国からのサイバー攻撃に個別的自衛権を発動すると主張するCIRの設立後、ドイツのトーマス・デメジエール内相は4月9日に「防御や防衛以外とは別の、外国のサーバーを突き止めて(サイバー攻撃で)排除するルールが、国際的にも、国内にも必要だ」と述べたことが話題になった。つまり先制攻撃でサイバー攻撃を実施できるルール作りに言及したのだが、欧米各国の首脳がこうした発言をするのは稀なことだ。

ただこうした議論ができるようになれば、もしかすると現在はほとんど存在しないサイバー攻撃の国際的なルールに対する認識が変わっていくかもしれない。ドイツにしてみれば、みんなが水面下でやっているサイバー攻撃についてきちんと話し合いましょう、ということなのだろう。

サイバー空間で暗躍するドイツが世界のサイバー政策にどんな影響を与えるのか、注目されている。

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