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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

遺書を書く人も......ご褒美をあげるからワクチン打て!攻勢で香港の接種率は劇的に上がるか

(筆者撮影)

香港はワクチンが潤沢にある。

早くの段階でシノバック、ビオンテックをそれぞれ香港の人口750万人に行き渡るように確保。ワクチン接種者はシノバックかビオンテックか好きなほうを選べる。オンライン予約もスムーズ。香港でワクチン接種が始まったのは今年2月末。香港政府は接種率7割は楽勝で到達するだろうと楽観視していた感がある。

ところがフタをあけたらどうだろう。ワクチン接種率(第一回接種者率)はなかなか2割に到達しない日々が延々と続いた。香港政府は怒りが収まらないようだ。

●"ワクチンを打て!打たないなら一生香港にいろ"

上記は香港政府の医療専門委員の言葉。

香港人のワクチンへの様子見の態度が相当気に食わないようだ。

「ワクチンは待ってくれないぞ。賞味期限があるのだから、接種率が7割になったらもうマスクをしなくて街を歩けるようになるのだから」

接種率7割に持って行きたい様子が見て取れる。賞味期限とはビオンテックは保管期間が限られているため9月までが香港の期限となっている。他国がうらやむほど潤沢にワクチンがあるのに、香港で未使用ワクチンが山積みとなっているのは海外でも報道された。

▼未使用の新型コロナワクチンが積み上がる香港-9月に一部期限切れも 5月10日付けブルームバーグ記事 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-10/QSVD6EDWLU6D01

▼香港、未使用ワクチンを大量廃棄の可能性 5月23日付けBBC記事 https://www.bbc.com/japanese/57250488

●何処にも寄港しないクルージングでは接種率あがらず

5月24日、Edward Yau商務長官が何処にも行かないクルージング案を発表。

豪華船は何処にも寄港しない。数日海をぐるぐる回って、その間豪華客船の設備で遊んで海外に行けない香港人が旅行気分を味わえるという。

船のスタッフも接種済みの安全トリップだというが、何処にも寄港しないクルージング、、、これは魅力無いんじゃないかな?

ソース →https://news.rthk.hk/rthk/en/component/k2/1592383-20210524.htm

●接種前に遺書を書く人も

翌5月25日にはワクチン接種前に遺書を書く人が出てきたと報道された。

黄大仙地区の弁護士Bruce Liuさんは毎週木曜日に無料で香港人の遺書を書く手伝いをしている。Liuさんのところに訪れる人たちはワクチンの副反応が怖いと言う。最悪の副反応に備えてワクチン接種前に遺書を書くのだという。

遺書を書く人が殺到するのは香港人のワクチンに対しての抵抗を表しているとの報道だった。

ソース→https://news.rthk.hk/rthk/en/component/k2/1592569-20210525.htm

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●政財界タッグを組んでのご褒美攻勢、ワクチン打てば1億5千万円のマンション、テスラ、500万香港ドル不動産クーポン、貴金属あたります!

そしてついに業を煮やした香港政府が企業とタッグを組んで打ち出してきたのはワクチン2回接種者はご褒美がもらえるという策。

大手不動産会社はワクチンを打てば抽選で1名に億ションが当たると発表。これは住宅難の香港で大反響を呼んでいる。

その他ワクチンを打ってテスラーModel 3 Long Range が当たる!ゴールドの貴金属が当たる。

なんと前回書いた香港で1番の富豪、李嘉誠も乗り出してきた。内容はワクチン接種者が不動産を買う場合、抽選で1等500万香港ドル(約7000万円)のバウチャーが当たるという。銀行もグランプリは10万香港ドル(約140万円)の抽選会を行うという。Towngas(香港のガス会社)も50人に1万香港ドル(約14万円)、2500人に千ドル(約1万4千円)のクーポンが当たる抽選会を行うそうだ。まだまだあって書ききれないのでワクチン接種のインセンティブ一覧はこちらから→ https://hk.asiatatler.com/life/vaccine-incentives-free-prize-draw-hong-kong-covid-19

さてご褒美攻勢の効果は出ているのか見てみましょうか。

■6月7日の状況:

★第一回目接種終了者数→ 1,557,459 (23.7%)

★第二回目接種終了者数→ 1,122,097 (17.1%)

■3日後の6月10日はどうだろう?

★第一回目接種終了者数→ 1,636,406 (24.9%)

★第二回目接種終了者数→ 1,150,701 (17.5%)

5月末に億ションが当たる抽選会のニュースを皮切りに怒涛のインセンティブ攻勢が功を奏したのか、あれほど2割に到達しなかったのにワクチン第一回目接種者が24.9%,

2回接種者が17.5%にまで伸びている。

香港のワクチン状況ははこちらから→https://www.covidvaccine.gov.hk/en/

●ワクチン様子見の態度を崩さない香港人が多い要因は3つ

なぜここまで香港人がガンとした態度でワクチンを突っぱねたのか?

まず香港の徹底したコロナ対策で、海外からの持ち込みケース(変異種)を除いて香港内発生のコロナの感染数ゼロが5週間以上続いていること。

次は副反応が恐ろしいから。

しかしこれら2つの理由だけでこんなにコロナワクチンを拒絶するだろうか?

1番の理由、これは冒頭に貼ったブルームバーグとBBCが報じているとおり、政府への不信である。

去年の国案法施行以来、一国二制度を形骸化させてしまった政府への抵抗ではなかろうか。

今、政府は飴をたんまりと用意して接種率向上に必死だが、数ヵ月後、やっぱり結果がおもわしくないと思った時点で今度はムチを用意してくるかもしれない。

それはどんなムチだろうか?

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。

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