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日本人コーヒー生産者が語るコロンビア

松尾彩香|コロンビア

コーヒーが増税!?コロンビアを震撼させた付加価値税見直し法案とは

©️iStock-Jirapong Manustrong

4月5日午前、財務省のフアン・アルベルト・ロンドーニョ副大臣は、数日後に国会に提出される付加価値税(IVA)見直し法案の詳細を発表しました。

パスタ、シリアル、サーモン、食肉加工品などの増税の予定が発表される中、いくつかの品目の増税案に対して世間から多くの注目が集まっています。

その品目とは、

・コーヒー

・砂糖

・塩

・チョコレート

で、今まで5%だった税金を19%まで引き上げるという案に対して、国民から多くの反対の声が上がったのです。

 

  

コロンビアの付加価値税(IVA)

コロンビアの付加価値税は基本的に19%ですが、品目などによっては5%、または税金がかからないものもあります。

例えば、生きていくのに必要になる野菜や果物などの食料品や種子植物などには付加価値税がかかりません。おむつや生理用品、トイレットペーパーなどには5%、洋服や映画のチケット、宝石やスパイスなどの贅沢品は19%が課税されるシステムになっています。

 

コーヒーと砂糖はコロンビア人にとって必需品

コロンビアは世界第3位のコーヒー生産大国。コロンビア国内でもコーヒーは多く消費されています。

コロンビアでコーヒーは「ティント」とも呼ばれており、出掛け先や家でちょっと一休みする時などには、ほとんどのコロンビア人がティントを飲みます。彼らにとってコーヒーは生活の一部であり、コロンビア文化そのものなので今回の法案に反対の声が寄せられることも十分頷けます。

↑『政府曰くコーヒー、砂糖、塩は必需品ではないので増税したいらしいです。』

ロンドーニョ副大臣は以前blu radioのインタビューにて「生活必需品(食品)に関しては増税しない」と公言していたにも関わらずコーヒーの増税を発表しました。そのことからコーヒーは国を代表する農作物なのに生活必需品ではないとは何事だ!と多くの人の怒りを買ってしまった様です。

   

生産者組合代表も肩を落とす

このニュースを受けて、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)代表のロベルト・べレス氏はツイッターで以下の様にコメントをしました。

↑『コーヒーの国内消費量を増やそうと頑張っているのにコーヒーの増税でそれが台無しになってしまうことを考えると悲しい。コーヒーが生活必需品ではないということは全国民の消費の大切さを分かっていないということだ。』

FNC、消費者が農家から直接コーヒーを購入できるプラットフォームを今年2月にオープンしたばかり。普段、輸出ができない低品質のコーヒーを飲んでいるコロンビア人に質のいいコーヒーを飲んでもらい、コーヒーの国内消費量を増やすとともにコーヒー農家を支援することが目的で始まった新しい試みでした。

スクリーンショット 2021-04-08 午後7.25.13.png

https://comprocafedecolombia.com/

  

増税見送り

あまりにも多くの人がこれらの品目の増税に反対の声をあげたので、イヴァン・ドゥケ大統領はその日のうちにこれら4品目の値上げをしないことを発表しました。

それに対してFNCのべレス代表は喜びと感謝のコメントを出しています。

↑「コロンビアのコーヒー農家を代表して、コーヒーの増税の反対表明に感謝します。コロンビアの人々のサポートがあるということを知れることは我々の力にもなります。ありがとうございます!」

 

近年コロンビア国内でも高品質のコーヒーが流行りつつあるので、コーヒー農家としては増税しないというニュースを聞いた時は正直ホッとしたと同時にコロンビア人のコーヒーに対する愛とプライドを改めて感じた出来事でした。

 

Profile

著者プロフィール
松尾彩香

コーヒー農家を営む元OL。コーヒーを栽培する一方で、コーヒー農家の貧困や後継者不足問題、コロンビアでの生活についてSNSを通じて発信。朝の一杯のコーヒーに潜む裏話から、日本ではあまり報じられないコロンビアの情勢まで幅広くお伝えします。

ブログ: http://campesinita.com

Twitter: @maon_maon_maon

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